2016/7/2-3百花繚乱、上空3000mに広がるお花畑&南アルプスの盟主・北岳
こんにちは、ぽんさん&ぽん助です(^o^)丿
7月初旬。幻の花、北岳固有種のキタダケソウを狙って北岳に登ってきました。あいにく今年は早くも散ってしまっていましたが、さすが、標高3000mのお花畑は高山植物の宝庫。標高差約1600mと険しい道を登った先に素敵なご褒美が待っていました。
天然の巨大クーラー大樺沢の雪渓や南アルプスの天然水が豊富な沢、岩壁のトラバースや目の前に広がる立ち止まらずにはいられない絶景。変化に富んだ最高に贅沢な山は私たちの心に夏の思い出として印象深く残るのです。
今回はきのこはお預けして、高山植物多めでお届けします(^^)v
それでは、3000m上空の楽園、北岳へ~
登山データ
◆行程:
day1 7:00広河原山荘→11:00八本場のコル→12:10北岳山荘→山荘受付しアタックザックで北岳山頂へ
Day2 6:00北岳山荘出発→7:00八本場のコル→9:40広河原山荘
◆行動時間(休憩時間含む):day1 約8時間 / day2 約4時間
◆最大標高差:1672m(広河原山荘1550m-北岳山頂3192m)
◆歩行距離:約13.6㎞
◆山頂標高:北岳 3192m
◆登山口までのアクセス:奈良田へ駐車→バスで広河原
◆山ごはん:豚肉のにんにく漬け野菜ソテー添え
◆温泉: 西山温泉 湯島の湯
Day1 広河原~大樺沢~八本場のコル~北岳山荘
前日23時ごろ品川に集合し、車で奈良田駐車場へ。
車で来る場合は、登山口のある広河原へはマイカー規制があるため、ここ奈良田もしくは芦安に車を止めてバスで広河原へ向かいます。所要時間は約50分。ちなみに、第2駐車場からバスに乗った方は50分ほど立ってなければならない(ほど混んでる)ので、第1駐車場近くのバス停から乗ることを強くオススメします。
時期によりますが、土日は始発5:30のバスがあります。5時の時点でこの人!さすが開山したての北岳!
広河原ビジターセンターに到着!芦安と奈良田から流れ込んでくる登山客がこんなに!っとちょっとビビります、汗。乗合タクシーもあるので、バスに乗れない場合はそちらも利用できます。ぽん助は前回乗合タクシーでここまできました。
登山届はここの2階でも記入できます。
広河原山荘に向かうつり橋。これを渡る時には「北岳に来れたんだなぁ」っとテンションが上がります!
つり橋でふざける2人!揺れるんですけどー!ってさっそく楽しい♪ 今回は山仲間Kさんと一緒です。真冬の鷹ノ巣山や真夏の上州武尊へ一緒に登ったKさんですが、実はタンパニストを目指していることが発覚!
そして、つり橋を渡ってすぐに広河原山荘。ここは食事が美味しいんですヽ(^。^)ノ 今回下山時に食べた野菜カレーはとっても美味。
2人は登山届を提出しているところ。ここでも記入できます。
さぁ。山の中に入っていきます。
歩きはじめ、森はうっそうとしています。年に何度も来ることができない山だからこそ、踏みしめる一歩一歩が心弾ませます。
これぞまさに、南アルプスの天然水。雪解け水が大きな岩の間から流れてきます。
ミヤマハナシノブ。
北岳大樺沢の雪渓脇に群生しています。7~8月。
黄色い花をつける高山植物で大群落を作るのはシナノキンバイがよく知られているが、ミヤマキンポウゲの方が花が小さい。
大樺沢の雪渓。天然クーラーのように、山から吹き降ろしてくる風がひやーーっと気持ちがいいんです。
今回はこの雪渓の横を登っていきます。
左俣コースは二俣から雪渓に沿って大樺沢の左岸(右側)を詰め、雪渓上部で右岸(左側)へ渡り、八本歯ノコルから派生する尾根に取り付きます。例年7月末まではアイゼンを持参した方が無難です。夏道が雪で覆われ、雪渓上を歩かなければいけないからです。雪渓の傾斜は強く壺足での歩行は大変危険を伴います。特に、下りに使う場合はなおさらです。年によっては7月中旬でも12本歯のアイゼンとピッケルが必要な場合がありますから、雪渓の状態を北岳山荘に確認してから出発することをお勧めします。 「日本アルプス登山ルートガイド」より。
ということで、軽アイゼンは持っていきましたが今年は例年より雪解けが早かったせいか使用せず登ることができました。
右俣コースの方は、森林の中を歩いていくイメージ。小太郎尾根周辺のお花畑も素敵だったなぁと2年前を思い出します。
ひょーーー(^。^) 冷えてる~
天然水+天然クーラー!!
アイゼンなしで登ったとはいえ、一部雪渓を登らなければならないので、慎重に登ります。こうやって見ると、結構な傾斜、笑
登ってきましたねぇ。このあたりは浮石が多く、落石に注意です。
雪渓を登りきると梯子が連続します。八本場のコルまでもう一息!
ほとんど急登です、笑 一気に標高を稼ぐので高山病に注意!
ミヤマシオガマ。
他の高山植物より開花が早いらしいです。日本固有種。6~7月。
山地で見られるイワカガミの高山型。日本固有。6~7月。
ガッスガスの中、八本場のコルに到着!
雨は降っていないものの、ガスに覆われている世界。そして、風が強くなってきました。稜線は恐ろしいことになっているんだろうなぁっとゾワっとします、汗
岩場にたくましく生息しています。7~8月。
イワオウギ。
タテヤマオウギという別名もある。6~9月。
八本場のコルからは更に梯子が連続します。それに加えて、横からの殴りかかるような風にあおられながら登るのでゆっくり慎重に。
ゴッツゴツの岩を足場を選んで登ります。岩にマーキングされているので、見失わないように気を付けて!
私たちは北岳山荘に荷物をデポって山頂を目指しましたので、ここはひとまずトラバース道へ。
ハクサンイチゲの群生。
このトラバース道がキタダケソウの生息地。生息域は限られていて、トラバース道脇のこのあたりに生息していると後に情報を山荘でもらいました。横殴りの暴風と戦いながら探しましたが、どうにも見つけられません(/_;)
トラバース道は、両手を使ってゆっくり行けば難しい箇所はありません。
それよりも、この日は暴風が凄まじく、振り落とされないように慎重でした。御一行様で渋滞中。
おー!!あの鞍部に見えるのは、標高2900mにある北岳山荘!
実はぽんさんは過去数か月にわたって北岳山荘のスタッフとして働いていたこともあり、第二の故郷のような心持で懐かしい~と嬉しそう。
ミヤマツメクサ。
高山の岩の間にマット状に広がる。日本固有の花。7~8月。
特徴的な花の形ですね。6~8月。
本州中部以北に広く分布。日本固有。6~8月。
チョウノスケソウ。
和名の由来は発見者の須川長之助にちなんだもの。6~8月。
ミヤマムラサキ。
岩場や崩壊地で淡青紫色の花を咲かせる。7~8月。
ミヤマキンバイの群生!
おや!暴風とガッスガスで花にばかり目がいっていたけれど、前を見てみるとざわざわしている!同じ方向を見てみると。。。
いやーーーーーん!! 富士山!
雲海が美しい! ここにきて、急に雲がどこかへ飛んでいきました♪
北岳山荘まであとちょっと。左奥中央の山頂にちょっとガスがかかってるのが、間ノ岳。北岳山荘から往復でCT3時間。
なんだか、おしゃれ~
北岳山荘到着~
今回は、天気をみて間ノ岳~三峰岳(ミブダケ)~北沢橋と2日目を考えていたのでもともと小屋泊の予定で、テントは持ってきていませんでいたがここからの眺めは絶景ですね!
北岳直上にでっかい雲が!!積乱雲なみの分厚さでした。
山荘で受付を済ませてからお昼ごはん。天気が不安定なので、ささっと済ませます。おなかを満たせてから北岳山頂へGo!!
北岳とぽんさん。画になるなぁ。さあ、ここから高地のお花畑始まり始まり~
もちろん写真じゃ伝わりませんが、かなりの暴風!
だがしかし、標高3000m近いこの場所に出現したお花畑!! 風なんかへのかっぱ!! ハクサンイチゲの群生です(^o^)
ミヤマミミナグサ。
和名は高山に咲き、ネズミの耳に似ていることにちなむ。7~8月。
オヤマノエンドウ・チョウノスケソウ・イワベンケイのコラボレーション!
岩場のプリンセス達。
高山植物が山に彩りを添えますね~
和名にある駒の詰めとは葉を馬の蹄に見立てたもの。6~8月。
エゾキンバイソウという別名もある。7~8月。
風が強くてなかなか進みがゆっくりになります。フードをかぶっていないと、耳の鼓膜がおかしなことになりそうなくらいの横風~
そんな暴風なので、髪の毛を逆立ててスーパーサイヤジンになれるかなぁって富士山めがけて「かめはめ波!!!」ってやった時に限って、風が弱まった画。
ミヤマシオガマ。
こんなお花畑素敵すぎー!!間ノ岳も農鳥も見えるよ~!!って風と戦いながらシャッターを押す!でも、花がぶれまくる!!涙
この景色は間違いなく一級品!!
八本場のコルが見えます!あの尾根を歩いてきたわけです。
山頂までラストスパート!!! さすがに標高も高いだけあって、息が切れます^_^;
シャッキーーーン! 風と戯れ(戦い)ながら、お花畑の中を歩いて山頂へやってきました~
感慨深い~ ぽんさんは山荘で働いていた時に何十回とこの場所に立ったとか。ぽん助は2年ぶり、念願叶ってここに立っています。初北岳のKさんも感激中~
暴風に負けず、途中諦めずに(いや、諦めませんが!)ここまでやってきて良かった!!
目の前に仙丈ケ岳、甲斐駒、間ノ岳、鳳凰三山、遠くの方に奥秩父の山々、中央アルプス、八ヶ岳と贅沢なほどたくさんの山を見渡せます。
実は、日本で富士山に次いで高い山は白峰の北岳なんです。白峰は通称白峰三山と称して、3000mを抜く山5座が、南アルプスの北部に連なっているのです。すなわち北岳(3192m)、中白峰(3055m)、間ノ岳(3189m)、西農鳥岳(3050m)、農鳥岳(3026m)がそうなんですね~
甲斐駒ケ岳がかっこつけてる! かっこつけ甲斐駒! いや、存在がかっこいいな。
いつか、いつか、甲斐駒の黒戸尾根を登りたいとソワソワするぽん助。アルプスの夏は短い。チャンスは逃しちゃいかん!
甲斐駒ケ岳の黒戸尾根と言ったら、日本三大急登の中で一番キツイ登りなのではないでしょうか。
仙丈ケ岳。通称女王様と呼ばれていますよね。甲斐駒と仙丈でナイスカップルってことかぁ?って勝手に妄想中。
下を見ると、歩いた道が見えます。あの雪渓を登ってきたんですものねぇ。
あちゃーーー、写真撮った時に限って雲が浮上中~
北なのに、南アルプス、笑
サービスショット!かっこつけるぽんさん&ぽん助、笑
いや~これはかっこよすぎるでしょ~の一枚。
だが、タンパニストKさんは、この時寒かったに違いない、笑
たそがれぽんさん、何を思う。
そういえば、北岳山荘で働いていた通なぽんさんが好きなルートがこの山域にあります。仙丈と塩見岳をつなぐ仙塩尾根っていうのが、ものすごく渋いらしくおすすめとのこと。三峰岳からの景色がまた素晴らしいと2日目のルート考えてくれましたが、明日の天気次第、、、。
よし、山頂を満喫し、山荘へ帰りますか~
北岳山荘LOVE!笑
山荘への帰り道、事件が起きます!暴風により翌朝のお弁当券が飛ばされてしまった模様です(~o~)
絶景を後ろにして、ものすごい反省するぽんさん。
ポケットのチャックはちゃんと閉めないと飛んで行ってしまいますよ!気を付けて!笑 ちなみに、食券は飛んでしまいましたが、理由を説明したら新たに支払わずに済みました。ありがたや。事件解決、笑
テント場に続々と家が設置されていきます。
ちょうど山頂から下山が始まったあたりから風の勢いが増して、カメラも手に持っていられないほどの暴風に。小屋に小一時間もすると、外はガッスガスになっていました。
この日は、山荘が超満員!テレビの撮影クルーの人たちも泊まっていたりで小屋はものすごい人でした。
天気も悪いし、早々に布団に入って明日に備えます。就寝19時。
晴れてくれたら、間ノ岳~三峰岳に行けるんだけれども、、、。欲を言えば、ご来光も拝みたいな、、、。
Day2 北岳山荘~八本場のコル~広河原
小屋の入り口は人でごった返しています。
天気が思わしくなく、カッパをみなさん着用中。出発は4時予定でしたが、あまりにも天気が悪いので6時まで山荘で様子をみることに。
時間になっても、風は一向におさまらず、濃霧のまま。おそらく昨日と同じパターンではないだろうかと。
無理に進んでも危険と判断し、昨日と同じコースで下山することに決まりました。
ガッスガスのビューンビューン。
大きなカメラを担いでお仕事大変。
テント収めるのも大変そう。何か部品飛んで行っちゃうんじゃないかっていうほどの強風。
タカネヤハズハハコ。の蕾。
8月が花期。
数メートル先が見えないほどの霧。そして、昨日に引き続いての暴風。
さすがにカメラ片手は危ないのでしばらく封印、笑
八本場のコルあたりまで降りてくると、ちょっと風が収まります。
そして、ハイマツさんありがとうと感謝をするぽんさん。ほんとにハイマツさんがある場所は風が弱まってるんです。
大樺沢の雪渓まで降りてきました。下りが怖いんです、ほんとに。滑り落ちたら最後、高速のジェットコースター。雪渓を渡ったのはここの一か所だけ。
下ってくると、沢が前日よりも増水してます!
樹林帯まで下ってくると、雨も止んできました。
ぽんさんを探せゲーム! 簡単すぎますね、汗
もう、雨と暴風で無我夢中に降りてきてしまったのでこのあたりになって、遊び始めます、笑
渓流。
夏。
山。
夏の思い出。
プライスレス。
広河原山荘に到着~
11:00前に着いたので、バスの時間まで小一時間。広河原山荘でお腹を満たします。
野菜カレー(^^) ピリッと辛口。美味しくペロっと食べちゃいました。
広河原ビジターセンターに到着~
ただいまショットを一枚。
あぁ、楽しかったなぁ。暴風だったけど、雨に濡れたけど。1日目の午後は奇跡的に晴れてくれて北岳からのプレゼントをもらったかのよう。
また、来年もここに来たいなぁ。
あとがき。
北岳は南アルプスの中で最も高山植物が豊富で7月初旬から8月上旬が見ごろとなります。山頂へは3本の登山道があり、八本歯のコルを経由するルートのみがやや難易度が高いとは言え、登山初心者でも十分登頂可能であると思います。
天気に悩まされた今回の山旅でしたが、標高3000mのお花畑や北岳山頂からの眺めは暴風や雨があったとしても完全にそれらを上回る感動を心に刻むことができました。
若干アクセスがめんどうだなぁっと思うかもしれませんが、ぽん助&ぽんさんは声を大にしてお勧めしたい山であります。
時期によって装備が変わるので、安全に登るためにも事前確認は十分にしておきたいものです。また、高山病対策として前日には十分な睡眠をとるようにすると快適に山登りができると思います^_^
温泉
今回の温泉はこちら。 西山温泉 湯島の湯。
奈良田から10分ほど車を走らせた場所にあるこの温泉は源泉かけ流しで温泉が飲めるんです。体内からきれいになろうと思って、ぽん助も頂きました。なるほど、温泉の味がしましたm^
癒されて、2日間を終えたのでした。
おわり。